こだまdeしょうか?

渋谷で働く学生複業研究家のブログ

「サイボウズ式 問題解決メソッド」を用いて、議論を建設的に進めよう

5月9日に行われた「HARES COLLEGE」月例会
今回は サイボウズ 中村 龍太さんプレゼンツの「ベストチームメソッド」のワークショップでした。

「働きがいのある会社ランキング」「ダイバーシティ経営企業100選」に選出され、働き方やチームワークに定評のある サイボウズさんが独自に生み出された「ベストチームメソッド」を、日々の仕事に活用できるように、生みの親の中村龍太さんから直接レクチャー頂きました!

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チームとは

グループとチームの違いは何だと思いますか?
人によっていろいろな解釈があるかと思いますが、サイボウズでは以下のように区別します。

「グループ(Group)」 = 集団(家族、地域社会)
「チーム(Team)」 = 目的を達成するための集団(企業、部活動)

チームとは人が集まっただけの集団ではなく「何か目的を達成するために形成された集団」のことを指します。

学校などで一緒に遊ぶ集団は「仲良しグループ」と言いますね。
反対に、野球などで一緒にいる集団のことは「グループ」とは呼ばずに「チーム」と呼びます。

チームワークとは

次に、チームワークとは何でしょう?
チームワークとは「チームがワークすること」です。
直訳すると「仲間と働くこと」です。

チームワークがうまく機能するためには、以下のことが必要です。

  • ゴールは何か?(定義と共有)
  • メンバーそれぞれは何をするのか?(役割分担)
  • 1人1人が積極的に参加しているか?(自律性/モチベーション)
  • 進捗具合とやることの共有ができているか?(情報共有)
  • 議論して結論を1つにまとめられるか?(実行力)

学校の部活動を例に取って当てはめてみると以下のようになります。

  • 効果: 試合に勝てる
  • 効率: 短時間で技術向上
  • 満足: 楽しい、一員で良かった
  • 学習: 成長する、知識が増えた

チームワークによって生まれる成果物は「効果」「効率」「満足」「学習」の4つです。
チームワークの良し悪しは、この4つの要素によって評価することができます。

しかし、会社のチームなどで4つの要素がきちんと評価されているケースは稀です。
どうしても効果や効率を重視してしまい、チームメンバーの満足や学習がないがしろにされているケースが多いのが現状かと思います。

少し余談になりますが、イチロー選手もチームに関してこんな風に言っています。
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強いチームというのは、個人があってチームがあると思うんです。 個々が持っている力を発揮して、役割を果たして、それが結果としてチームとしての力となる。 でも、弱いチームは、個々が持っている力を発揮されない。 だから勝てない。

サイボウズ式ワークショップ

サイボウズのワークショップで行われている内容の一部を簡単に紹介します。

【やってみよう】
まず、3~4人で一つのグループを作ります。
自分の強みを5つくらい挙げてください。
そのあとに弱みを5つくらい挙げてみましょう。
苦手なこととして挙げたものの中から、1つ選んでください。

ではその苦手なことを助けてくれる、他人の強みとはどんなものか挙げてください。
結成したチームのメンバーごとにそれぞれ弱みを発表し合い、その強みを持った人がいないか探してみる。
チーム内に弱みを助けてくれる強みを持った人がいるはずです。
お互いに補完し合えるため、チームなら自分の強みを伸ばせるのです。

やってみると、かなり盛り上がります。
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サイボウズ式「問題解決メソッド」

ここからは、サイボウズの社内で使われている問題解決メソッドを紹介します。

このフレームワークに則れば、意見や考えをロジカルに伝えることができるので、「議論が建設的に進まない」「自分が抱えている問題が解決できない」といった悩みをお持ちの方は是非とも参考にしてみてください。

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(サイボウズの公式HPより引用)

1. 問題を発見する

まずは、自分の課題を発見するために、問題に名前をつけましょう。
例えば、「タスクを処理しきれていない問題」「ブログが続かない問題」などといった具合にです。

2.問題を分析する

次にその問題について分析していきます。
問題を分析していく上で重要なワードが4つあります。

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(サイボウズのワークショップ テキストより引用)

「事実」と「解釈」

「事実(Fact)」 = 起こった事象のこと。五感で確認できる確かさの高い事象。
「解釈(Thought)」 = 思った事象のこと。頭の中で創り出したこと。

実際に起こったことが事実であり、それを見て思ったことが解釈です。

例えば「部屋の温度が25度である」という事象。
これ自体は事実です。この事実に対して反論する人はいません。

この事実に対して「暑い」と感じることが、自分の解釈です。ここで重要なことは「人によって解釈が異なる」ということです。

25度という温度に対して、「暑い」と感じる人もいれば、「ちょうど良い」と感じる人もいる。
意見の対立が起きてしまう原因は、解釈の仕方によるものなのです。

なのでスムーズに意見を伝えるためには、人によって異なる解釈ではなく、事実をベースに話すことが重要となります。

「理想」と「現実」

次に「理想」と「現実」というキーワードについて見てみましょう。
「理想(Vision)」 = 望んでいる事象。
「現実(Reality)」 = 現在の事象。
といった定義になります。

サイボウズの問題解決メソッドでは
「問題」とは「理想と現実のギャップ」と定義します。
現実が理想と異なることが問題となります。

ここで一つ気をつけるべきなのは、問題自体はよくも悪くもないということです。
問題は理想や夢があるから生まれます。
「現状がよい」と考えることで理想と現実のギャップがなくなるわけです。

それでは「問題」を「理想と現実」に分解していきましょう。
そしてその「理想と現実」をさらに「事実と解釈」に分解しましょう。

以下の図のようなイメージです。
「現実×解釈」のマスから考えていきましょう。

Ex1) 忘れ物が多い問題

    解釈 事実
理想  忘れ物が少ない   忘れ物が0件
現実  忘れ物が多い    忘れ物が10件

(※事実は数字で表すのが一番伝わりやすい)

3. 原因を検討する

次は「原因(Causal Action)」の追求です。
「原因」を「現実の事実を引き起こしている行動」と考えます。

原因を「人の行動」にすることで、あとで課題の設定がしやすくなります。

Ex2) 部員のモチベーションが低い問題

    解釈 事実
理想  モチベーションが高い 部員の参加率が80%
現実  モチベーションが低い 部員の参加率が50%

原因は必ず複数存在します。
例えば、この例だと「監督が怒るから」「部員が同じ練習に飽きていたから」のように「Aさんが○○をしなかった」というような形で落とし込みます。

4.原因の確かさを考える

先ほど挙げた原因に優先順位をつけていきます。

原因 確かさ
監督が信頼できないから 少し可能性がありそう
部員同士の仲が悪いから 可能性はあまりなさそう
下級生はボール拾いばかりで飽きているから ありそう
5.課題を設定する

最後に原因に対する打ち手として「課題(Next Action)」を設定します。
「課題」は「誰か何を実行するのか」ということを明確にして設定します。
自分の範囲が及ばなければ何も解決しないので、なるべく自分ができることにします。

先ほどの例を用いると

原因 課題
監督が信頼できないから 監督と話し合う
練習内容に飽きているから 練習内容を見直す
部員同士の仲が悪い ミーティングを開催する

また、課題を設定するときのポイントとして
コストと効果の2軸でマトリクスを作り、優先順位の高い原因から課題を設定するようにしましょう。
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課題 効果 コスト 優先順位
監督と話し合う 低い 低い C
毎日ミーティングを開催する 高い 高い B
練習内容を見直す 高い 低い A

上の図の結果「練習内容を見直す」という行動が、優先すべきネクストアクションとして決まります。

このメソッドのポイントはここにあります。
原因と課題は「行動」だと定義し「行動」に着目することで、外部の変化にとらわれずに自分の行動の見直しが進むのです。
それによって、行動ではない現象は議論の対象から外すことができます。

どんな理想を掲げても、行動しなければ理想が実現する可能性は低い。
次の行動こそが未来を創る。
具体的な行動に着目することこそが大事です。


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ファシリテートしていただいた中村龍太さん、ありがとうございました。
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